1人が本棚に入れています
本棚に追加
毎朝、私達3人で登校するのが普通になる。
ただ、毎日私は寝坊してしまい、裕の自転車の後ろにはあやめ専用座席が用意されることになる。毎朝裕にしがみつくあやめを見ると、私は何とも言えない気分になる。いっその事裕を諦めるか。今私は、佐々木太一君に惹かれはじめていたからだ。
「ねえ、茜ちゃん。」あやめが何か決心したような目で問いかけてきた。
「ん?どうしたの?深刻な顔して。」
「私ね。茜ちゃんにどうしても言わなければいけないことがあるの。」
「どうしたのさ。私達親友じゃん。気楽に言いなよ。」
「…。」
「あやめ?」
「茜ちゃん!!」「わぁ、ビックリした、」いきなり大声で名前を呼ばれたからだ。
「私ね。嶋田くん…。ううん、裕ちゃんが好き。」
「…。はい?」
「私は裕ちゃんが好きなの。」
「…。」私は唖然とした。だって、あやめの態度を見ていたら99,9%の人は分かるはずだ。(0.1%は当事者の裕。奴の鈍さは筋金入り。)
「あんたを見てたら誰でも分かるよ。」
「えっ、私そんなに出てたかな?」恥ずかしそうに下を向くあやめ。
「当たり前でしょ。自転車の後ろは独占してるし、毎日一緒に帰ってるじゃん。腕組みしてさ。」
「えっ、見てたの?」
「あれだけ堂々としてたらね。あんたら一応男女人気No.1でしょ。否応なしに目立つんだから。」
最初のコメントを投稿しよう!