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「そっか。茜ちゃんにはばれちゃっていたか。」うんうんと首を縦にふるあやめ。いや、私だけじゃないって。
「茜ちゃんはいいの?」「何が?」
「裕ちゃんが好きなんでしょ?」
「!?」な、ななにをいきなり?
「だって、茜ちゃんだけじゃんか。ゆうって呼んでるのさ。」確かに私以外の女の子は「嶋田くん」か「裕くん」と呼んでいる。げっ、私だけの特権?
「あんたもゆうちゃんって呼べばいいじゃん。」
「そんなのできるわけないじゃない。恥ずかしいよぉ。」なんだ?この可愛い生物は?
「裕ちゃんもあかねって呼んでるし。私なんかつきしまさんなのにさ。」
それは私がゆうって呼ぶからだろ。あんたが嶋田くんだから月島さんなんじゃないのか?
「茜ちゃんは可愛いし、アイドルだし、私と違って明るいから人気者だし。茜ちゃんが裕ちゃん好きなら私なんて勝てないよぉ。嫉妬ですよ。」しくしく泣き出してしまった親友。
「…。」言葉を失う。
まさかパーフェクトな超絶美少女のあやめが私なんかに嫉妬していたなんて。
「あやめ。」私は泣いている親友を抱きしめる。
「あっ、茜ちゃんの抱っこ裕ちゃんみたいに暖かい。」
「…。ん?あんた裕に抱っこしてもらったことあるの?」
「あっ!」と言って赤くなるあやめ。
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