お前の白い鳥がっ!

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「おい、ナナ、」  声をかけると、下着のゴムが、ぐいっと引かれる。  七緒が、足のかぎ爪をゴムの間に突っ込み、引っ張っていた。 「何やってんだ、ナナ?」  ぱつん。  ゴムが腰を打った。 「(いて)っ」  思わず眉を顰めると、耳元で、コウ、と聞こえた。  七緒にしては、小さな声だ。  まるで、ささやくような鳴き声。  白い顔が、すぐ近くにあった。 「近い近い近い。離れろよ」  というか、息苦しい。  七緒の羽が、溂の全身を覆っていた。  白くて柔らかな2枚の翼が、ふんわりと、溂の体を包み込んでいる。  「コウコウコウ」  何かを訴えるように、七緒が鳴く。  もちろん、溂には、何を言っているのかわからない。 「おい、ナナ、」  言いかけて気が付いた。  顔が近いだけじゃない。  七緒の体が、溂の体に密着していた。  いつものように、七緒は服を着ておらず、そして……。 「げ」 いつの間に脱げたのやら、溂自身のパジャマも、どこかへ消え去っていた。上も、下も。  溂は、パンツ一丁で、寝ていた。  七緒の羽の下に。  羽を通して白くなった朝の光が、七緒の顔を照らす。  普段から白い、七緒の顔が、発光したように真っ白だ。     
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