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「さて、どう動くべきか……」
カイトに協力する者はたくさんいた。
繁華街で危険を承知でレイラの居場所を教えてくれたのは高橋。あの刑事だ。
名前を明かさないのは彼のポリシーみたいなもので、カイトはその正体を知らぬまま"高橋"と呼び続けていた。
彼もまたアキの餌食になった。
カイトが襲われる前に殺され、奥底にある記憶を消された。肉体を新たに作ったのは神。
ジュリもそうして記憶を消されて再び檻に入れられた。
「待て。なぜ高橋さんだけが檻の中にいなかったんだ?」
腑に落ちない。いや違う、とカイトは思い出す。
「ルカの監視……か」
ケンカ別れしたとはいえ、カイトに一番近かった親友。味方になるわけでもなく、敵にもならず、ずっと隠れていた男。
何らかのきっかけで見つけて監視を付けたに違いない。
そうカイトは想像した。
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