第1章 1 やる気が行方不明

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 ――――親友なのに。なんだろう、この違いは。完璧すぎて釣り合わない。よく親友になれたよなぁ。  太陽の光に照らされるストレートの黒髪を見ながら、自然とため息が出た魁斗だ。  ――――諒みたいなのを眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群とか言うのかな。  答え終わった諒は、さっさと席に着く。  直後、つまらなそうにシャープペンを回す。今度は机に突っ伏して寝に入った。  ――――僕だけ怒られるとか、狡いよな。  寝ていた魁斗は注意され、諒の睡眠は見て見ぬふり。いくら優秀でも、彼の校則違反くらいは注意して欲しいと魁斗は思う。  ――――贔屓(ひいき)、だよな。  遅刻や早退は当たり前。校内で喧嘩をする。しかも強い。今日みたいに授業中に寝ることも多い。制服もちゃんと着ていない。  和泉諒という男は、何を考えているかわからない。とにかく自由に学校生活を送っていた。 「ちょっとムカつくかも」 「ああん!? 森崎、今なんつったよ!?」  思わずぼやいてしまった魁斗の声が、たまたま横を通った堀田にしっかり届いていた。
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