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――――親友なのに。なんだろう、この違いは。完璧すぎて釣り合わない。よく親友になれたよなぁ。
太陽の光に照らされるストレートの黒髪を見ながら、自然とため息が出た魁斗だ。
――――諒みたいなのを眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群とか言うのかな。
答え終わった諒は、さっさと席に着く。
直後、つまらなそうにシャープペンを回す。今度は机に突っ伏して寝に入った。
――――僕だけ怒られるとか、狡いよな。
寝ていた魁斗は注意され、諒の睡眠は見て見ぬふり。いくら優秀でも、彼の校則違反くらいは注意して欲しいと魁斗は思う。
――――贔屓、だよな。
遅刻や早退は当たり前。校内で喧嘩をする。しかも強い。今日みたいに授業中に寝ることも多い。制服もちゃんと着ていない。
和泉諒という男は、何を考えているかわからない。とにかく自由に学校生活を送っていた。
「ちょっとムカつくかも」
「ああん!? 森崎、今なんつったよ!?」
思わずぼやいてしまった魁斗の声が、たまたま横を通った堀田にしっかり届いていた。
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