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冷たい目をしていた。金髪がサラサラと風に揺れる。歳は十二、三。中学生くらいだが身長は高い。ワイシャツとジーパンという恰好が大人びて見せていた。
少年とは思えない冷酷さが男を硬直させた。
「遅かったじゃないか」
男が強気にそう言うと、金髪はやっと体を動かした。
「待ち伏せか」
「逃げ方がわかりやすすぎる」
わかりやすいと言われても、男にはよくわからない。
頭の中にある逃走ルートはいくらでもある。分かりにくいよう複雑に逃げたはずなのに、金髪にとってはワンパターンなのだ。
「どうする? 戦うか? なにもせずに死ぬか?」
こんな子供にやられるわけにはいかない。
男は後ろに手を回し、隠していた銃を取り出した。すぐに銃口を金髪に向ける。
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