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混沌とした世界。
生命の住む場所も、森も焼かれた。
川は汚れ、山は崩れ去る。
空は落ちてきそうなほど荒れていた。
「わたしたち、また出会えるかしら?」
「きっと」
「約束を守ってくれる?」
「必ず」
「信じるわ」
「信じて」
「わたしたちは再び出会うの」
――――神を殺すために。
恋愛ではない。友情ではない。
そんな軽いものではない。
二人を結ぶのは約束という不安定なもの。
それでも知っていた。裏切りはないと。
二人は知っているから。信じるという輝きを。
「終わるわ」
「レイラ。必ず」
「会いに来て……」
白い光が二人を包む。それは終焉の光。
白く消えていく世界。温かい世界は悲しみと憎しみだけを残して終わる。
誰も望んでいなかった。望んでいたのは、明るい世界だった。
こうして『想い』を残したまま、世界は終わった――――。
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