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そもそもの始まりは神の裏切り。未熟ながらも作り上げてきたみんなの世界を壊したことにあった。自身のわがままで、完璧を求めるあまりにリセットした。
目覚めてから、カイトは涙で濡れた頬を撫でる。こんなにも理不尽な終わり方があったのかと、改めて記憶のなかった時間をふりかえる。
心に残る虚しさと切なさ、悔しさ、怒り。
神によって記憶を消されていたとしか思えない。しかし、自身の心が拒否していたというのも考えられなくもなかった。
「レイラ。ごめん」
それでも彼女を待たせたことに変わりはなかった。
やるべきことが、約束があったのに、それを無視し続けて"普通"に生活していたのだから。
「始めようか、復讐を」
苦労して見つけ出したレイラとの接触をことごとく邪魔してきた者たちにも復讐を。
決意というよりも本当に終わらせるためにと、カイトは立ち上がった。
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