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「セイヤ!」
「ぐはっ!!」
教科書の角が見事に魁斗に直撃。
さすがに起きた彼は、そのままバランスを崩して机と共に床に転がった。
頭や腕がじわじわと痛み出して、さすがの魁斗でも目を覚ました。
「痛ったー」
足元に転がる教科書に、状況を把握した魁斗が顔を上げる。堀田とばっちり目が合った。
「森崎」
「あー。先生」
普段、優しいはずの数学教師の堀田が青筋を立てている。
「先生。普通、こういう時はチョーク投げるのが主流じゃありません?」
「悪かったな。今度から黒板消しにしておこう」
思わずジョークで誤魔化そうとするも成功するはずかない。
魁斗は反抗することをやめた。これ以上言っても、いいことはないと判断してのことだ。
「いい加減、授業に集中しろ!」
「はーい」
素直に魁斗が返事をすると、そんな堀田とのやり取りが可笑しかったのか教室の空気が一気に和んだ。
倒れて教科書も飛び出した机を立て直し、魁斗はやっと席に着く。
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