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「私は神様も仏様も、お空の上で一緒にのんびりしてらっしゃるような気がしてるんです。だから宗教や宗派には、こだわりがありません」
「そういう考え方もいいですね」
「結城さんは?」
「僕は無神論者です。学校はプロテスタント系でしたが」
今日は土曜日の午後である。とはいえ休日にわざわざ呼び出されたというわけではない。今日は午前だけ出勤だったので、その帰りにここに誘われたのだ。
本当は、今日は一刻も早く帰りたいと思っていた私だけど、こうして『雪華』のチーズケーキを奢ってもらえるとなれば話は別だった。
何せ北海道は富良野の有名牧場から取り寄せた新鮮なチーズに、同じ牧場の方牧牛の生乳から脂肪分以外の成分を除去した最高級の生クリームと、沖縄産の黒糖が加えられ、上部に粉砂糖で雪の結晶の絵があしらわれたチーズケーキは、一度でも口にしたら忘れられないほど繊細な美味しさなのだ。
至福の時間とは、まさに今のことだろう・・・・・・。
それに・・・・・・。
「ところで恵利菜さん。今まさに、事件が起こっていることに気がついていますか?」
運ばれてきたチーズケーキに舌鼓を打っていた私は、急に話しかけられて困惑を覚え、首を傾げた。
「事件ですか?」
「入り口の方を見て下さい」
「はあ」
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