嫉妬

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祐は手紙に指定されていた屋上へやってきた。 金網の近くに立っていた女の子は扉の開く音でこちらに気づいたようで、小走りで駆け寄ってきた。 「先輩、来てくれてありがとうございます」 「…いや、良いよお礼は 君の名前は?」 「自己紹介してませんでしたね、すみません! 私の名前は橋本七瀬です」 「うん」 「それで、えっと…あの…その… 伝えたいことがあって…」 一瞬俯いたが、七瀬は意を決したように息を吸い、口を開く。 「私…先輩のことが… す、好きです!! 入学式で挨拶をされていた姿に一目惚れして…」 一呼吸起き、再び話し出す。 「それから…ずっと好きなんです…! 友達からでも良いので… つ、付き合ってもらえないでしょうか?!」 祐は真っ直ぐ目を見て力強く告白し、深々と頭を下げた七瀬からゆっくり目を逸らし、軽く俯いた後、申し訳なさそうに口を開いた。
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