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「…俺、一応生物学上は君と同じなんだ」
泣いていた七瀬は顔を上げ、混乱したような表情で祐を見つめる。
「生物学上、同じ…というのは…?
え…? お、女の人ということですか?!」
言葉の意味を理解した七瀬は、目を大きく見開いて驚く。
「…え? え?
だ、だって、ブレザーでスラックスですし、“俺”って言ったじゃないですか」
理解してはいるが、まだ混乱しているのか、納得がいかない様子の七瀬。
「この学校、スカートかスラックスか選べるでしょ?
スカートは嫌いだからスラックスなんだ。
そして、このブレザーはお下がり。
ここの制服高いからさ(笑)
一人称に関してはこの格好だしね」
この説明ももう何度目だろうかと思いながらも苦笑する祐。
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