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「そうだったんですね…
でも…まだ好きな気持ちはあるみたいなので、もう少し好きでいてもいいですか?」
俯いていた七瀬は涙を拭い、祐を見上げて問う。
「…うん。ごめんな…。
でも、こんな最低な俺のことなんか嫌いになってくれていいから」
「…いえ、嫌いになんてなれません。
しばらくは…忘れないと思います…」
「…そっか…」
俯く七瀬に声をかけることもできない祐。
しかし数分後、居たたまれなくなって声をかける。
「…あ、あの…
じゃあ、俺行っていいかな?」
「…はい…」
消え入りそうな、寂しそうな声色の七瀬は俯いたままで、立ち去る祐のことを見送ることはできなかった。
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