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喫茶店に寄らなければ、何かやり残したようで、気持ち悪いんだ。
決して、娘を心配して様子を見に来ている訳でもない。
この私が食べる姿を娘は丹念に見いる。
そんなことお構い無しにがっついて、振り返りもせずに立ち去ってやった。
娘が名残惜しそうに見送っている。
気付いているが知ったことではない。
この私の寝床は、住宅街の片隅にひっそりとある公園だ。
遊具はブランコ、滑り台、砂場。あとは、ウサギらしき物体。
隣の家との境目にある、ブロック塀辺りの草は延び放題。
この私にとっては非常に居心地が良い。
雨の日、以外は大抵、此処に居た。
ウサギらしき物体の上で体を休めるとしよう。
公園の入り口に顔を向けて道路を何となく見ていた。
人間はたまに通るけど、この私に気付く物はいない。
昼間はまだ暑いが、夜になると涼しくなってきた。
蝉の鳴き声も変わった気がする。
星を眺め、意識を残したまま眠った。
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