キジトラ 初秋

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 これだから人間は嫌いなんだ。 もふもふ していれば誰でもいいのか! デレデレして、茶トラの頭を撫でてやがる。 ああっもういいっ! 元々、あんな小娘のことなんて眼中にない! 暇潰しに相手にをしてやってただけだ。 食い物なんて自分でどうとでもなる。 この私が誰に媚びる必要もない。 孤高で気高いんだ。 あんな小娘のことなんて忘れてやる。 だいたい、この私が人間と関わり合う方がおかしいんだ。 正常に戻るだけだ。  娘と顔を合わさずに、来た道を引き返した。 今日はもう、狩りをする気も起こらず、滑り台の下で一日、ふて寝した。 この怒りに似た感情は何だ。 ああ、イライラする。 むしゃくしゃする。 別に、会いに行ってたんじゃないし、 食い物だって特別、美味いって訳じゃないし 食ってやってただけだし、 あんなの、食えなくてもいいもん。 一人でいいもん。 寂しくないもん。
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