キジトラ 初秋

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 空に羊が何匹も浮かんで、茜色に染まろうとしている。  三日も公園から出ていない。 日課である、縄張りの見廻りも面倒だ。 腹を満たすために、草むらで狩りをしていたから、体は動かしている。 むしゃくしゃが収まらない。 涼しくなってきたし、もう寝る。 滑り面の平たい場所で香箱座りをして、目を閉じた。 珍しく、公園に向かって来る、足音がしたので草むらに身を隠そうと目を開けたら、見知った顔だったから、隠れるのは止めた。 あの娘だ。 この私を見て、不安と安心が混じった複雑な顔をしている。 手にはこの私専用の器に半生タイプのフードを入れて持っている。 今さら媚びたって相手になんてしてやらない。 茶トラのところに行けばいいだろ! 近づいて来たから、「シャァーッ」をくれてやった。 それでも身動ぎすること無く、この私の前でしゃがんだ。 器をこの私の前に置くと、深く息を吐いた。
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