Episode3『楽園-ベッド・イン-』

14/27
前へ
/64ページ
次へ
「想像にまかせるって……。隠す必要あるかな? 隠さなくたってわか──あっ!」  言いかけて衝撃が走る。前触れもなく、いきなりリク自身に貫かれて息が止まった。 「痛かったか?」 「平気。ちょっと、びっくりしただけだから」  すっかり準備は整っていたから痛みはなかった。ただちょっと強引すぎて驚いただけ。 「ごめんな」 「ほんと大丈夫だから」 「いや、次からは気をつけるよ」  リクの心配そうな顔を見ていると、大事にされているのだと実感できる。  もっとも、リクは昔からやさしい。それを知っているからこそ、こうして一緒にいる。  だけど、わたしたちは恋人同士ではない。好きという言葉も交わしていない。  それでも肌を求め合ってしまうのはどうしてなのだろう。  快楽を得るため? さみしさを埋めるため?  だったら相手は誰だってよかったはず。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1143人が本棚に入れています
本棚に追加