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でもわたしはそうではない。わたしはリクだからいいと思った。
「リクになら、なにをされてもかまわない。だから遠慮しなくていいからね」
「そんなこと言われたら、ほんとにそうするよ」
「いいよ」
たくましい身体つきであることを、今日初めて知った。
服の上からではわからなかった鍛えられた背中に手を差し伸べて、筋肉の動きをたしかめる。汗で指がすべりながらも自分なりの愛撫をした。
リクもそれに呼応するようにわたしの首もとに顔を埋めてきた。
心臓の鼓動を感じる。初めて聞く彼の音にわたしは夢中になった。
「あぁっ……はぁ、んっ……」
リクが腰を進めてきて、質量を増したものが壁を擦り上げながら奥のほうに侵入してきた。その動きは最初から力強くて、乱れる息が吐息となって吐き出されるが、それすらもキスで吸い込まれ奪われていく。
リクの息遣いが荒い。
薄目を開けると、目の前のリクが眉間に皺を寄せ、ちょっとだけ苦しそうだった。
途端に愛おしさがあふれてくる。リクも余裕をなくすことがあるのだと。
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