1143人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
「ええっ!? そんなに!?」
キングサイズのベッドのへッドボードに背を預け、冷たいシャンパンを喉に流し込んだ。すっきりしたついでに部屋の料金の話をしたら、とんでもない答えが返ってきて、持っていたグラスを落としそうになった。
このホテルは日本でも有数の高級ホテル。さらにここは一〇〇平米以上の広さを持つ最高級のスイートルームなので、ある程度の覚悟はしていたけれど。それにしても想像の上をいく桁外れな金額だった。
「だから一泊じゃなくて、月単位で借りたんだって」
「わかってるよ。ひと月分だとしてもすごい金額だって」
「そうか? そんなもんだろう。取りあえず、向こう半年分で話をつけた」
「相場がどうのこうのじゃなくて……。毎月それだけの支払いができるなんて、どれだけ稼いでるの? ほんと信じられない。ていうかもったいない」
「別にいいだろう。仕事場としても使うんだから。それに掃除だってやってくれるし、セキュリティもセットだ。それらの人件費と設備を金で買ったと思えば、少しは納得できるだろう?」
「まったく、できない!」
最初のコメントを投稿しよう!