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「税理士に相談してみる。まあ全額は無理だろうけど」
と言いつつ、ぜんぜん気にしていない様子。三割だろうが六割だろうが、リクにとってはどうでもいいことなのだ。
大金を動かしているわりには、自分の手もとに残る利益に執着がない。興味はそこじゃないのか、それとも……。
「有り余るお金ってことか」
次元が違い過ぎる。もはやわたしの頭も麻痺してきているようで、そんなものかなんて思っている始末。
「金は動かさないと自分にもまわってこないもんだよ。この部屋を借りることだって、仕事に有益だと思ったから借りたまでだから」
信用ということだろうか。
こことは別に都内にタワーマンションの一室も持っていて、それまではそこを仕事の拠点にしていた。
あの部屋もかなりグレードの高い部屋なのだけれど、それ以上にこのスイートルームは訪れた人を全員魅了させるはずだ。
部屋は四部屋。
とんでもなく広いリビングとベッドルームはプライベート用。そして豪華絢爛の応接室は仕事関係者との打ち合わせなどに使う。残りの部屋はリク専用の仕事部屋だ。
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