Episode3『楽園-ベッド・イン-』

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 ティアラをモチーフにしたデザインは、このホテルのロゴである。それがキーホルダーに刻印されていた。そのティアラに散りばめられたキラキラがダイヤモンドらしい。 「別にダイヤなんていらないのにな。たかがキーホルダーなのに」  やけにあっさりと言う。  そりゃあ、仕事に没頭しているリクは、宝石なんてものには興味がないのかもしれないけれど。ダイヤモンドだよ。女の子の憧れのジュエリーなんだから。 「なくすなよ。その合鍵はそこらの店で簡単につくれるものじゃないんだからな」 「最新式なの?」 「複製はまずできない」 「そんなふうに言われるとプレッシャーなんだけど」  生まれて初めて預けてもらう合鍵がスイートルームのものというのも、なかなか珍しい。  ずしりと重みのあるそれは、見れば見るほど高級で、ダイヤモンドの輝きに気おくれしてしまう。 「俺が迎えに行けないときもあると思うから。そのときは葉月が直接ここに来たほうが早いと思うし、俺がいないときも好きに使えよ」 「仕事でも使ってるのに? リクだけならいいけど、お客さんが来ているときにわたしがいたらじゃまでしょう?」 「どっちにしても、応接室の出入口は別にしてあるから」
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