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風呂から出て部屋に戻ると電気をつけたままの明るい部屋の中、
こたつに足を突っ込み、ベッドにもたれかかるように座ったままの姿勢で
瑞季はうたた寝をしていた。
静かな部屋の中、規則正しい寝息だけが微かに聞こえる。
「瑞季、風呂入ってこいよ」
肩を軽く叩いてみたけど、余程眠たかったのだろう
瑞季は一向に目を覚ます気配がなかった。
そう言えばコイツ、一回寝たら朝まで絶対起きないんだよな。
前にウチに泊まった時、夜中に結構激しめの地震が起こって
家中プチパニックになって大騒ぎした時も
瑞季は全然起きてこなかったし。
まあいいや。
明日は学校休みだし、風呂は朝入ればいいしな。
このまま寝かせてやろうと、自分のベッドから毛布を取り
こたつからはみ出た上半身にそっと掛けてやる。
無防備に眠るその顔を見ているとさっきの笑顔がふと思い出された。
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