今はまだ聞こえなくていい

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やっぱり瑞季といる空間は心地いい。 隣に瑞季の笑顔があるだけで、和むっていうか すごくしっくり来るっていうか。 高校でもバイト先でも新しい友達はたくさんできた。 だけど、一緒にいてこんな風に当たり前の空気でいられる奴はいない。 どんなにたくさん友達ができても、やっぱり俺は瑞季がいい。 心臓は無駄に元気にドキドキしてるけど これだって、久しぶりに向き合って変に緊張してるせいかもしれない。 瑞季だって、こんなにも長い間よそよそしくしてた俺に 何のわだかまりもなく接してくれてるし。 俺から変態オーラみたいなものは、きっと出てないってことだろ。 そんな風に自分の中で、瑞季への妙な感情は幻だったんだと結論づけ これからはまた、以前と同じようにただの幼馴染として 親友として、付き合っていけると確信したとき 「ちょっとみーちゃん、これ味見してー?」 母ちゃんの間抜けな声と共に、部屋の扉が遠慮なく開けられた。 そして さっきキッチンで母ちゃんが格闘して焼き上げたぶっさいくにへしゃげた 自称・紅茶のシフォンケーキと飲み物を載せたトレーを持った母ちゃんと 何故か姉ちゃん二人までもが乱入して来た。
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