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一気に狭い部屋は女臭くなり
いつもの如く瑞季は女どもに脇を固められた。
邪魔だ。
死ぬ程邪魔なんだけど、女どもめ。
久しぶりの瑞季との時間を邪魔された怒りを眼力に変え、じっとりと一人ずつ睨んでやったけど、母ちゃんも姉ちゃん達も、俺の事を微塵も気にすることなく瑞季に夢中になっている。
「ホラ、みーちゃん口開けてごらん。おばちゃんが食べさせてあげるから」
「ちょっとお母さん、おばさんのそんなサービスいらないから。
てかそんなおぞましいモノ、みーちゃんに食べさせないでよね。
ホラ、アタシが入れたホットココア飲んで」
「ちょっと、ココアより私が入れたオレンジジュース飲んで。
みーちゃんは猫舌なんだから、そんな熱いモノ飲ませないで!」
……ああウザイ。
こんなウザイ状況にも、慣れてる瑞季はにこにこと嬉しそうに笑っている。
ある意味天使だよな、瑞季って。
見た目もそうだけど。
はっ
何考えてんだ、俺。
高校男子捕まえて「天使」だって。
キモっ!!バッカじゃねーの?!!
てか今変態オーラ出てね??俺。
ヤバイヤバイヤバイー!!
「……何一人でくねくねしてんの?正樹キモいんですけど」
気が付けばそれまで俺の存在なんて完無視だった女3人の呆れた視線が俺に向けられている。
げ。
俺まさか無意識の内にくねってた??
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