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「あら、みーちゃん、いらっしゃい。久しぶりねー!なに、またこのアホ正樹に
勉強教えてくれるの?」
俺の声を聞きつけたのだろう、リビングドアから姉ちゃんが顔を出し
瑞季の抱えた問題集を見て余計なことを言う。
「ちげーよ。俺が瑞季に教えんの」
「うっそ、そんなわけないじゃん」
「嘘じゃねーし。な、瑞季」
「あら、瑞季くんいらっしゃい。ちょうどよかったわ、おばさんね、紅茶の
シフォンケーキ焼いたのよ。味見してってちょうだい」
「久しぶり、みーちゃん。相変わらず可愛い顔して。正樹と同い年の
男の子とは思えないわ。正樹と交換したいわー」
言い合ってるうちにオカンと更に上のねーちゃんまで顔を出してきた。
めんどくせえな、もう。
「もーいいから、瑞季、部屋行こう」
うるさい女連中に笑顔で挨拶をしている瑞季の腕を引っ張って
自分の部屋がある2階へと階段を上った。
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