言えない秘密

3/5
前へ
/25ページ
次へ
「あら、みーちゃん、いらっしゃい。久しぶりねー!なに、またこのアホ正樹に  勉強教えてくれるの?」 俺の声を聞きつけたのだろう、リビングドアから姉ちゃんが顔を出し 瑞季の抱えた問題集を見て余計なことを言う。 「ちげーよ。俺が瑞季に教えんの」 「うっそ、そんなわけないじゃん」 「嘘じゃねーし。な、瑞季」 「あら、瑞季くんいらっしゃい。ちょうどよかったわ、おばさんね、紅茶の  シフォンケーキ焼いたのよ。味見してってちょうだい」 「久しぶり、みーちゃん。相変わらず可愛い顔して。正樹と同い年の  男の子とは思えないわ。正樹と交換したいわー」 言い合ってるうちにオカンと更に上のねーちゃんまで顔を出してきた。 めんどくせえな、もう。 「もーいいから、瑞季、部屋行こう」 うるさい女連中に笑顔で挨拶をしている瑞季の腕を引っ張って 自分の部屋がある2階へと階段を上った。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加