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 小さな光は、あたたかな熱を持ってじわりとアオの胸に広がった。  それでもすぐにシオンの言葉を信じるには、アオは臆病すぎた。 「そ、それは、俺が”運命つがい”の相手だから? 本能には勝てないから? ひょっとしたらそれでしかたなく・・・・・・」  往生際悪く続けようとするアオの言葉は、シオンのキスによって再び封じ込められる。深いキスを交わした後、ちゅっと軽く唇に触れられ、また離された。 「・・・・・・正直な話、最初はそうかもしれないと思っていたがな。惹かれるのは、お前の言う、くそフェロモンのせいだと」  正直に言われて、アオの胸はちくっと痛んだ。そんなアオの気持ちを見透かしたように、シオンが笑う。 「いまはそんなことはどうでもいい。ひょっとしたら、ほんの何パーセントかはそうかもしれないがな、たとえお前が運命のつがいの相手じゃなくても、俺はお前が好きだよ。・・・・・・アオ」  やさしく名前を呼ばれて胸が震えた。 「お、俺も、俺もシオンが好き・・・・・・っ」  ぎゅっとしがみついてきたアオの身体を、シオンが受け止めてくれる。ふわりと身体が浮いたと思ったら、アオはシオンに抱き上げられていた。 「シ、シオン!?」  一瞬慌てかけて、思い直したように、アオは身体からふっと力を抜いた。シオンの首にまわした手に、ぎゅっと力を込める。  夢を見ているみたいだった。幸せすぎて、どうにかなってしまいそうだ。  そのときアオは、ハッとした。セツのことをすっかり忘れていたのだ。いつの間にか、あの大人しくてやさしい青年の姿は消えていた。 「とりあえずは病院だな」  ちくんと胸が痛んだアオの横で、シオンがうれしそうに言った。
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