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この先の未来どころか、明日をも知れぬ身に、アオはぶるりと身を震わせた。朝から具合が悪かったことなど、とっくにアオの頭にはなかった。
陽が落ちた街に、灯がともりはじめる。
「仕事・・・・・・。仕事を探さなきゃ・・・・・・」
まずは金がいる。きょうとあしたを生き抜くための金が・・・・・・。
頭痛はますますひどくなっていた。動かすのが億劫なほど身体はだるい。けれど、いまは休んでなんかいられなかった。手っ取り早く稼げる方法は、アオにはひとつしか思い浮かばなかった。アオはきつく唇を噛みしめると、何かを決意したように、暗い目で正面を睨みつけた。
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