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一週間ぶりに自宅へ帰ったアオたちを待っていたものは、玄関のドアの前に無造作に積み上げられた家具や私物の数々だった。
「えっ」
そのとき、隣の家から四十代くらいの女が姿を現して、茫然と家の前で立ち尽くすアオたちに声をかけた。
「なんだ、あんたたち戻ってきたのかい。しばらく戻ってこないと思ったら、大家があんたたちの家から荷物を運び出しているから、てっきり夜逃げでもしたと思ってたよ」
「サーシャさん」
彼女は、まだ幼いふたりの男の子を持つ主婦だ。彼女の家もアオたちと同じで決して裕福ではないが、これまで兄弟だけで暮らすアオたちのことを何かと気にかけてくれた。
「・・・・・・アオ」
リコが不安そうな眼差しで、アオの腕に触れた。アオはぎゅっと唇を噛みしめた。胸の中を冷たい風が吹き抜ける。押しつぶされそうな不安を堪えつつ、アオは自分がしっかりしなきゃと、腹に力を入れた。
「夜逃げなんてしていません。ちょっと具合が悪くて、ある人の・・・・・・知り合いの家に、世話になっていただけです」
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