ろく

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徐々に触り方に遠慮がなくなってきて、一抹の不安を覚え始めたころ、男性陣も話し合っていた。 「《闇》、どういうことです!?なぜ地球の兎が…!」 「落ち着け、《音》。俺はあいつが知人に拾われたのを引き取っただけだ」 「地球ってホルガーがいた異世界だよね?あの兎モドキ、異世界からきたの?」 「…異世界の兎は人化できるのか。こちらの世界の兎とはかなり違うな」 「そんなわけないでしょう!地球の兎もこの世界の兎も位置づけはさして変わりません!知能もないに等しい圧倒的弱者ですよ!」 「…あの兎が特別なのか」 「そのようですね」 「アレの出所はどうでもいいが、極者補佐を務められるほど賢いのか?一応対話は成立するようだが」 「まあ、アホだが魔法の才能やセンスは抜きんでているから問題ないだろ」 「ならいい」 遠慮というものが消え失せ、もみくちゃにされ始めたのでやっとのことで脱出し、ボソボソと密談する男どもの中からツェーザルを見つけ出してその足にしがみついた。 「ん、どうしたおチビ」 「ヴァイスは疲れたので散歩にでもいくのだ!」 「その姿だと驚かれるから人間になっておけよ」 「わかったー」 人間に変身!するとみな、ギョッとしたあとに顔を勢いよく背ける。 「ここで人化するやつがあるか!服を着ろ!」 「ヴァイスは気にしないぞ?」 「周りが気にするんだよ!全裸で歩き回るな!胸を張るな!はやくドレス着てこい!」 「分かったのだー。クリスティーネ、マーリアおばあちゃん、メルツェーデス、ドレス着るの手伝ってー」 「あなたね、もっと慎みを持ちなさい」 「若い女の子は簡単に殿方に肌を晒すものではありませんよ」 「ドレスを着ましょうねぇ、ヴァイスちゃん」 女性陣からも非難轟々である。 うかつに人前で全裸になってはいけない、わたしはまた一つ賢くなったのだった。
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