ろく、てんご

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「すべての予定がつつがなく終了しました。おつかれさまでした」 その言葉にオレたちは安堵から脱力した。 あの黒矢すら疲れたような顔をしているのだから、相当だと分かるだろう。 オレたちが無作法をするとさりげなくイヤミを飛ばしてきやがる第一王子もこの時ばかりは苦笑いを浮かべるだけだ。 それだけのことをさせられたからな、オレたちは。 「あ゙ーやっと終わったぜ…」 オレが天井を見上げてため息とともに言葉を吐き出すと、夜那がそれに同意した。 「さすがに疲れたわ…。勇者お披露目ってあんなに盛大なのね」 「夜那もだけど亜里沙は口調矯正されたら年ごろの男がすごい勢いで群がってたもんな。おれは彩雅が大半捌いてくれてたから楽っちゃ楽だった」 「…もう二度と夜会には出ない」 黒矢がぶすくれている。 まあな、オレと夜那のところに集まってきたやつらはうざいにはうざかったが最低限の礼儀ってやつがあった。 だが黒矢のところに集ってた女どもは…アイドルの追っかけみたいな感じだったよなぁ。タチ悪いストーカーみたいなのもいたみたいだし。 「勇者様がたがうまくやってくださったおかげで勇者への評判は上々です。ありがとうございます」 「話はそれだけか?」 この薄気味悪りぃ第一王子相手でも対応を変えない黒矢はさすがっちゃさすがだが、たぶんなにも考えてないのだろう。 あいつ、近寄りがたいとか以前にただの兎バカだからな。 「いえ、勇者様がたには王族を紹介したと思いますが、まだ妹を紹介していなかったので。黒き魔法の国にいましたので」 ああ、何度か顔は合わせたが忙しくて喋るどころじゃなかったから。 たしかいかにもな姫だったはず。 ちょうど、ノックの音が聞こえる。 「入れ、コンスタンツェ」
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