なんば、関西空港、そして終着駅。

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「ジャネット・ヌブーのことを思い出すよ。」 作為であった。ひとしおの感慨を込めての物言いは。彼女とは、facebook上の友達の間柄。ただ、そうなれたのも彼女のジャネット・ヌブーの投稿からだった。自身もヴァイオリンを弾いているのにもかかわらずヌブーを知らなかった。そうして、彼女の投稿にあった動画で、その天分の凄さを感じた。天才の女性ヴァイオリニストであったことも、飛行機事故で夭折したことも知った。 「僕の儚さをつづったコメントに返信を寄せてくれたね。」 彼女のそこでの賞賛は、同じヴァイオリニストなればのものだった。それに比し、自分は、古今集、新古今集が、繚乱の花を詠むより、散りゆく桜を詠むものが多いというコメントを寄せていた。確かに「儚さ」という言葉を覚える。事故による夭折ともなれば。他方、そういった連想が、どことなくありきたりであるばかりに、自身のつたない和歌の知識をひけらかす次第となった。 「『しず心なく花の散るらん』だった?」     
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