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闇を求めて、八重樫を襲う連中が出てくるということか。
「結界、消してきます!」
俺が家から出ようとすると、黒川が腕を掴んでいた。
「やってしまったものは、しょうがないでしょ」
良くなるのか、悪くなのるのか、熟考してから決めろと怒っているらしい。確かに、思いつきで行動してしまった。
「せめて、同居人には相談しようよ……」
そこで、俺は黒川を見てから、目を逸らす。黒川は逸らした目を、強引に自分に向けさせようとしていた。
相談するのならば、李下のほうがいい。李下には一般常識と公務員の経験がある。それに李下はちゃんとした大人で、社会人という気がする。しかし、黒川は、経験は豊富だが一般常識という面では頼りにならない。
「上月、思っていることが顔に出ている。俺では不満なのか?」
「社会人という意味では、黒川さんは俺と同レベルではないかと……」
黒川と口論してから、バイトに行くと、慧一が奥で端末の操作をしていた。慧一がいるということは、紗英さんもこちらに来ているのかもしれない。周囲を見ると、旗幟がカウンターで定食を食べていた。
「旗幟が慧一を連れて来たの?」
旗幟は、紗英の弟で、村に住んでいるので、通学にここを通っている。
「そう。姉さん、野菜中心の食事だからね、慧一さんが肉不足なんだそうだ」
確かに、慧一を見ると、肉と唱えながら仕入を入力していた。
そこで、同じ大学の旗幟と、呪いの車の話題になってしまった。旗幟も事故の話はよく知っていた。
「あの車、まだ、この付近を走っているのか。怖いよね」
車の監視をお願いしたいものだと言うと、いいものがあると紹介された。それは、見たい場所や物の監視システムであった。
「表向きはゲームだけどね、この地図、実際の建物、道路にリンクしていてリアルタイムの映像が見られたりする」
監視カメラ、個人の携帯電話、カメラ機能と通信装置のあるもの全てを、隠れて繋げているらしい。
その機能に、追跡と監視があるのだ。
「怖いゲームだよね」
このゲームは村で作られたもので、一般には売買されていなかった。しかし、ユーザー数がかなりの人数になっている。
「×の目も、カメラと同等に使用できたりする」
これは、本当に怖い。
「このゲームの面白さは、本物の犯罪を追い掛けるということだよ」
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