第七章 銀色 二

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 今日は、朝に志摩を泣かせているので、事故物件も見たいが、それよりも家に帰らなくてはいけない。 「ただいま」  リビングには、壊れた志摩の箪笥があった。扉が紐で固定されて運べるようにしてあるので、修理に出そうとしているのであろう。箪笥の修理は村でしているので、先に予約を取ろうかと電話をかけてみた。すると、既に予約済で、明日、取りに来る手筈になっていた。 「志摩、いるの?」  返事がしないので、喫茶店ひまわりに行っているのだろうか。俺が着替えようとすると、志摩の手が伸びてきた。
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