第七章 銀色 二

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 裂けるような恐怖と、閉じられずに動いているそこが、大きさを確認しては震えていた。 「ローションも足しました。ね、守人さん、ほら温かくなるローションですよ」  しかし、どう気持ちを紛らわそうとしても、閉じられずに拡張しているそこの、緊張と怖さは無くならない。慣れれば、これも良くなるものであろうか。  無重力で掴むものがないので、やはりこの体勢はきつい。振り返って志摩に抗議しようとすると、いつもの志摩の大きな手が、どこからか伸びてきて、俺を包んでくれた。そして、志摩の大きな手の指を掴むと、幾分安心している自分がいた。  これは志摩で、何も怖い事はない。 「守人さん、大好きですよ」  そこで、一気に打ち込まれ、奥まで入れられていた。内臓を圧迫され、脂汗が出てくる。胃が持ち上げられているようで、吐きたくなってくる。 「ひいっ、いやあああああ!」  暫くすると、やっと普通に息ができるようになった。そして、気付くと、俺はすっかり萎えていた。 「……志摩……」 「そんなに泣かないでください、守人さん。大丈夫ですよ。しっかり、守人さん咥えていて、気持ちいいです」  気持ちいいわけがない。志摩の声も、少し上擦っていた。多分、締め付けてしまって、痛いのであろう。 「守人さん、すごいキツキツですが、そのキツキツのまま奥まで絞ってくれていて、それでいて熱くて、最高ですよ」  俺の中にいるのは志摩で、俺の唯一の男であった。俺の中を行き来するのは、志摩だけで、俺も志摩だけいればいい。 「少し、動きますよ」  大きさになれるとそこは、その形状を維持しようとする。だから最初よりも苦しくはないが、やはり出して入れる時には衝撃がくる。でも、幾度か繰り返すと、その衝撃も和らいでくる。 「守人さん、いいですね」 「……うん、大丈夫そうだ」  そこで、ゆっくりと動いていた志摩が、中を掻きまわすように腰をひねる。そこで、俺が感じる場所を確認すると、パシュという音が静かに鳴った。すると、次にパシンと叩かれる音が響く。 「守人さん、好きです」  そこで、志摩は俺の腰を両手で固定すると、腰を打ち付け始める。はじめは、それでもゆっくりであったが、次第に速度を増してくる。速度が増すにつれて、勢いも出てくるのか、尻を叩く音がパシンと響くようになっていた。
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