第八章 銀色 三

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 文様は歴代の守人様では聞いた事がないもので、俺、特有のものらしい。そこで、李下はこの模様を、輝夜の月と呼んでいた。 「上月が、輝夜であったので、輝夜の内側の守りが作動したのでしょう」  そこで、谷津は俺の3D画像の模様を、プログラム化していた。 『しょうがない。このプログラムをあちこちに混ぜて流す。その反応をまとめるかな』  不快と回答がきたら、更に映像を送ってみる。そして、×の可能性を探るという。 『×は犯罪を起こす可能性も高いし、一石二鳥だな』  そこで、画面が電源を切ったように、暗くなっていた。 「谷津 尋君だったかな?暴走させないようにしないとね」  もしかしたら、谷津は×を追い詰め、わざと犯罪においやるかもしれない。その方が、情報料が取れるからだ。  そこで、時間が来たので光二にチェンジする。光二は、谷津の画面を見ると、電源を切ってしまっていた。 「いつも見張られているようで、気味が悪い」  確かに、谷津は正義感に溢れているタイプではない。でも、近所に住んでいて、そう悪い奴でもなかった。 「仕事に行く。守人は眠っていろ」  光二が、氷渡の家にある自分の部屋へと移動していた。 「守人の光の文様は、とても綺麗だ。何というのか、この世のものではない感じ。プログラムで真似はできても、完全ではないよ」  それは、×が消えてしまうと思っていても、近寄りたい光になるらしい。だから、不快というレベルではなく、近いものは恐怖になるという。 『そうか……涙の結晶で再現してみようかな』 「物凄く最強の、お守りになるよ」  そこで、眠ろうかと心臓に移動しようとすると、オウムに見つかってしまった。オウムに追い掛けられて、首のあたりに来てしまった。 「守人、首は止めて。苦しい」  でも、下を見ると、オウムが見ているのだ。どこに逃げたらいいのであろう。すると、蛇が隠れて尻尾を振ってくれた。そこで、俺は光二の闇の部分に飛び込み、鳥目のオウムを撒いておく。  蛇に助かったと礼を言うと、蛇はあちこちにつつかれた跡があった。これはオウムにやられたのであろう。蛇は、せっせと糸を吐き、自分の体も修復していた。  蛇と一緒に、心臓の中で眠っていると、オウムがしきりに顔を突っ込んでは、中に入ろうとしていた。でも、ここは狭いので、オウムの体では入れない。
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