第二十一章 継承するもの

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「上月が昔のままで、安心しました。上月はどこに行っても、上月で、守人様です」 「バカもそのままだしね」  そこで、谷津が腹を抱えて笑っていた。 こんな感じで、村でも俺を馬鹿にして、二人は笑っていたのだ。 段々思い出してきて、又、腹が立ってくる。  でも、俺も外見は少し変わったが、谷津が昔のままで安心する。 この、小さな事でも腹を抱えて笑う仕草など、子供の頃の谷津と重なって見える。  そこで、光二は風呂の位置などを教え、仕事に行くべく、家を後にした。 「守人、眠っていろ。俺は仕事だからさ」 『そうする』  光二の中で、蛇を布団にオウムを横に眠る事にした。 『既存者』了
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