第二十一章 継承するもの

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「要は、四月朔日をウィルスとして検出、駆除すればいいのですね」  谷津が、何とかしてくれそうだ。  俺は谷津と並んで歩きながら、あれこれと質問してしまった。  まず、谷津の家族をどうするかであったが、谷津はこのままでいいという。 こちらの世界で幸せに暮らしているのならば、村に戻らないほうがいい。 幾度も記憶を改竄していると、精神を病んでしまう。  それと、住む場所の問題で、不動産所得は難しいと説明してみた。 「一緒に物件を探そう」 「氷渡さんから聞いたら、上月は事故物件に幾度も住んで詳しいと言った。 俺も、×で幽霊も心霊も平気だから、それでいいよ。 但し、うるさくしても平気な家で、広いこと」  どうして、うるさくしても平気という条件が付くのであろうか。 すると、谷津は同居する相手がいるらしい。
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