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「谷津にも恋人がいたのか……」
「そういうのではありません、×ですから。セフレでしょうか。
バンドを組んでいて、楽器の練習をするのでうるさいのです」
真顔で、セフレなどと言わないで欲しい。
でも、相手の事を考えているということは、多少は好きなのであろう。
部屋に帰ると、俺は光二にチェンジする。
そこで光二も、谷津とあれこれ話していた。
近所であったので、光二も谷津とは面識があり、幼馴染でもあった。
「守人、手間がかかるだろう?」
しみじみと光二が、谷津に確認していた。
すると、大きく谷津が頷いている。
俺は光二の中で動けないが、谷津を殴りたい気分になった。
「でも、可愛いです。可愛いままで、全然変わっていなくて、驚きました」
「そうだろう。俺も驚くけど、守人、全く成長していない」
やはり、急いで光二とチェンジして殴っておきたい。
しかし、昔と同じ谷津の笑顔があった。
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