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彼は次に、ドアの前に置かれた、ウサギのぬいぐるみの映った写真を見せてくれた。
こちらもどこにでもありそうな、首にリボンのついた、ふわふわの赤い目のウサちゃんだ。
ドアはそう高級ではないマンションか、アパートの物のように見える。
「で、一応はね、闇サイトとか通して止めるように警告はしてやるんです。最初はね。
それでも止めなかったらドアにキーホルダー。
お前の家、知ってるぞって事ですよね。
住所とかそんなの、今ちょっと腕のいい奴一人いれば一発ですから。
さらにそれでも止めなかったら、次にこういう、ウサギのぬいぐるみをね、置いておくんです。
あ、なんでウサギかっていうとね、これ知ってる人は知ってますよね、化粧品とかの動物実験で、ウサギの目に薬剤たらすの。可哀想ですよね。
でも知ろうとしないやつは知ろうとしないですよね、そういうの。
それもメッセージになったらと思ってやってます」
最後に彼は、隣に座る真っ赤な目をしたウサギの着ぐるみに目を向けた。
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