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「いやー今日も暑いねぇ?。夏休み中なんだから部活なんてやらなくていいのにねぇ」
彼女の名は利根公佳。
同じ部活の同輩であり、僕、荒川秋夜の彼女でもある。
そしてもう一つ。
「夏休み明けたら文化祭があるんだから、夏休み中でも用意しないと」
「私出ないし関係ありませーんだ」
僕の愛する彼女はサキュバスなのだ。
*
サキュバス。
男性から精力を奪い取る女性型の悪魔。
当然乱界戦時には目立った活躍もなく、憲法によっても保護されていない種族だ。
噂によると大戦中には中立とは名ばかりで、双方に協力していたらしい。
ずるいイメージがあるサキュバス。
エロい、なんてイメージもあるだろう。
だが、そんな風に一括りにしてはいけない。
少なくとも自称処女の公佳はそんなやつじゃないし、そんなことはしない。
精力を吸い取る、といっても体液ならなんでも大丈夫らしく、最近はもっぱら僕に対して吸血しているのだ。
*
半年も前のことである。
僕は好きだった人に告白した。
その返事はNO。
それに対して凹んだものだったが、彼女にも理由があったのだ。
彼女はサキュバスだったのだ。
僕は別にそれに対してはなんとも思わず(下心がなかったと言えば嘘にはなるが)
今はこうして付き合っている。
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