潰れればいいんだ

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潰れればいいんだ

《デートまであと3日》  翌日、列車に揺られているとバァさんが「席を譲ってくださらない?」って言ってきた。 「シルバーシートに行ってください」  若いからって疲れてないとか思ってんでしょ?  隣に座っているおじいさんが「若いんだからさ?年寄りを労る気はないのかね?」とか言ってきた。  うっせーな!仕方なく譲ってやった。  整備工場に入るとピリピリした空気が伝わってきた。 「君、このままじゃ本当にマズイよ?」  シーケンスの検査をしていた東雲が言ってきた。コイツに何人も体と心をボロボロにされた女がいる。 「何がですか?」 「仕事だよ」 「ちゃんとやってるじゃないですか?」 「社員になりたいんだったら気構えを見せてほしいものだね?」  気構えって何だろ? 「もう、辞めるんで?気構えですか?昭和っぽいですよね?」 「悪かったな?」  ニンジャリバンバンとかって曲が流れた。  東雲がケータイを耳に当てた。 「もしもしー、あれ?タクミ?」  コイツもタクミと繋がりがあるのか?  ツイッターのタクミかどうかは分からない。 「メグミ、辞めちゃうの?」  社員のミハルが言ってきた。馴れ馴れしいんだよ!コッチは先に入ったのに!  西浦の最初の標的はキサマだ! 「アンタには関係ないだろ?」  こんな古びた工場、権力で潰してやる!しょっぱいだけでちっともうまくない社食を食べた。 「サラメシ来ないかな?」  テレビを見ながら留美子が言った。  お局様だ。  来るわけないだろ。  清原団地にあるアパートに戻って軽井沢で買ったクッキーを食べた。  ほんのり甘い。  四万湖はキレイだった。  反射するブルーがキレイって噂だったが。無線基地とかがあったな?各国の船とも連絡が取れるらしい。  タクミからツィートがあった。 《誰か、トモダチに可愛い子いない?》  タクミと本番したら不幸になるんだろ?留美子の皺だらけの体なんか相手にするわけない。ミハルなら巨乳だし?  タクミはスゴイイケメンだが、信彦もナカナカだった。けど、用済みだ。 《ワタシじゃダメってこと?》と送ってみた。 《そーゆーワケじゃない。友達が女を欲しているんだ》  最低な男だな?なんと!その友達ってのが小嶋ユウトだったのだイケメン俳優だ。東雲なんかは顔だけで売ってるとか言ってたが単なるやっかみだ。 《ゴメン、ワタシ友達いないから》              
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