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「ん…。じゃあいっぱい苛めて? 代わりに毎日飯食わせてよ」
もちろん。と、そう言って真壁は颯の首に何かを巻き付けた。また首輪かと、そう思って颯が指で首元を辿ってみれば、それは幾重かに別れた細い革紐で出来たチョーカーのようだ。
カチャリと金属が触れ合う音にトップに触れてみれば、何やら複数の金属がぶら下がっているようである。
「ん…? なにこれ……鍵…?」
「俺と颯の家の鍵」
「え!?」
「一人暮らしは危ないからダメ。それに、いくら家賃稼ぐためとはいえ、ホストはもう禁止。週一でも許さないよ」
きっぱり言い切られてしまっては、颯に言い返す隙などなかった。とはいえ真壁が何故、内緒にしているバイトの事を知っているのか…。とても気になる颯である。
「なんでバイトの事知ってんの…」
「Ωはαよりも希少価値が高いって自覚してる? Ωのホストがいるって、颯は結構有名だよ?」
「な…っ」
「まあ、俺の番になったらどうせ拒絶反応起こしてバイトなんて出来なくなるし、そしたら颯、ここの家賃払えないでしょ? だから俺の家で一緒に暮らそう? ご飯はオマケで付けてあげるよ?」
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