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ナカの粘膜を擦られる度に爪先から痺れるような感覚が這い上がり、全身が強張る。真壁に抱え上げられた脚が震えるのを颯は止められなかった。
最奥でうねる襞が熱い飛沫を欲しがって雄芯に絡みつき、入口は逃がすまいとギュッと収縮するのが颯は自分でもわかった。男なのに女になったような錯覚が思考を溶かし、何も考えられなくなっていく。
やがて本当に快感を追う事だけしか頭になくなって、颯は真壁の腕の中で快楽に塗れた声で啼き続けた。
どれほど時間が経過しているのかわからない。揺さぶられ続け、吐き出すものさえなくなった頃になって、ようやく颯の躰は解放された。沈み込むように眠りの淵へと意識を落とす。
覚えているのは、闇の中に落ちる直前に頭を撫でた真壁の手の温かさだけだった。
意識を取り戻しては欲望の赴くままに互いの躰を貪り合い、疲れ果てては真壁の腕の中で眠るだけの生活。
颯が眠りに落ちている合間に、真壁は事後処理や食事の用意をしているようだった。安定している間を見計らっては、真壁は用意しておいた食事を温め颯の口許へ運んだ。
「お前さ、料理上手いのな…」
「俺の番になるならいつでも食わせてやるが?」
「胃袋掴むのは常套手段って訳?」
「こんなものはオマケだって、すぐに気付く」
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