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授業が終わってすぐ、遠野が先生の所へいった。
何を話てるんだ?
そして軽く会釈してこっちに戻ってきた。
「教室使っていいって。でもあんまり遅くならないようにとのことです」
以外にいい子なのかも…この子。
「さぁ、始めましょ」
「ちょ、ちょっと待って! その前にまず、お互いの自己紹介をしよう」
「自己紹介? 私は遠野。あなたは山田くん。それ以外、何か必要?」
「じゃ、じゃあさ、俺の下の名前は知ってる?」
「知らない」
俺、言ったし…。
「し、下の名前とかさ…好きな食べ物とか、なんかあるでしょ?」
「…名前は遠野陽菜(とおのひな)よ。好きな食べ物は答える意味がない」
「…ありがとう。俺の名前は山田淳。好きな食べ物はハンバーグだよ」
「山田淳…どっかで聞いた名前ね…」
2回目だからな!
「そんことより、ささっとやりましょ。
どこからわからないの?」
「実は、今日学校行く前に初めて、リアルさんを付けました…なので、何もわかりません」
「冗談はやめて。今時、小学生でもわかるわ」
「冗談じゃないよ…あんまり言いたくないけど、実は俺ん家ちょー貧乏でさ…リアルさんって買ったら、30万だっけ? 40万だっけ?する物を、全国民に配分されたはいいけど高過ぎて、もし潰したら絶対買ってあげられないって、親に何回も脅されてさ…そして俺も怖くて、今日までつけれなかったんだよ…」
「…なんか、あれね…ご愁傷様」
やはりムカつく奴だな。
「!? ちょっと待って。あなた…」
「な、なんだよ!?」
遠野が近づいてきて、手で顔を触ってきた。
「目を閉じて」
「な、なんで?」
「いいから早く」
ちょ、何? この急展開!?
俺はまだ心の準備が…。
そう思いながら、俺は目を閉じた。
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