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ドキドキドキ…。
俺は心臓が破裂しそうになっていた。
ぐいー! ぐいー!
なんだ!?
両目を無理やり開けられた。
「やっぱり…山田くん、RS付いてないわよ」
「えっ? …いや、今朝つけたよ」
「左目は付いてる。でも右目は付いてない。それじゃあRSは使えない。両目付けなきゃ無理よ」
「ちゃんと付けたって! …もしかして!?」
俺は走り出した。
多分、失くしたとしたら、遠野とぶつかったあの曲がり角だ!
その曲がり角に着いた俺は、四つん這いになって必死に探した。
だが、見つからない。
その時、後ろから人が来る気配がした。
「こ、こっちに来るな! 今コンタクトレンズ落としたんだ! 来たら踏んでしまうかもしれない!」
「コンタクトレンズじゃなくて、RSでしょ」
!?
振り返ると、遠野がいた。
「今朝たしか、ここで誰かとぶつかったわ。山田くんだったのね」
「あぁ、そうだよ。でもない…ないんだ…」
くそやばい展開じゃねーか…ここにないとしたら、朝付けた洗面所か!?
いや、ここもまだ探さないとわからない。
悩んでいると、前に人が現れた。
「おい! おまえそれ以上こっちに…!?」
「!? 山田くんのRG? なぜ、片目で出せるの!?」
それはこっちが聞きたい…。
これがRGか…じゃあこいつに俺ん家の洗面所を探せと言えば、探してくれるのか?
こくん。
RGは少し頷いて、急に走り出した。
「な、何をしたの!?」
「な、何をしたのってこっちが聞きたいよ。ただ、心の中で俺ん家の洗面所を探してくれるのかって思っただけなんだけど…」
「まさかそんなこと…そしてRGに意思があるように見えた…これは…」
「そんなことよりリアルさん探さないと! マジで親に怒られる…」
また四つん這いになって必死に探した。
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