第2章 リアルさん

10/11
前へ
/16ページ
次へ
あれから1時間ぐらい探したが、見つからない。 「マジでやばい…俺はこれからの高校生活を、ナミで過ごさなければいけないのか…」 「さっき出せたじゃない、RG」 「そうだけど…帰ってこないしさ…」 「帰ってこいって思ってないからじゃない?」 あっ、そうか。 俺は目を閉じて念じた。 強く念じた。 早く帰ってこいっ…なんならリアルさんみつけましたよ、淳さん♪ ぐらいの報告をしろ…。 …帰ってこない。 「おかしいわね。本当に思ってる?」 「お、思ってるよ! 思ってるってか、念じてるよ!」 「やっぱり、何かのバグかもしれないわね。じゃあ、また明日。さよなら」 すたすたすた。 遠野は帰っていった。 なんて奴だ…こんなピンチの俺を放置するなんて…。 「こんだけ探してもなかったんだ…俺も帰るか…」 そう、独り言を呟いて、俺は帰宅した。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加