第1章 取扱説明

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そしてRSが発売され、急速に日本に浸透して行く中、日本政府からRSでの生活の許可が下りる。 その中継は生放送だったが、今でも鮮明に覚えてる。 総理がテレビの前で 「皆さん!リアルさんは日本の革命です!」 「総理!RSです!」 「……リアルさんはこれから地球全土に広まっていく可能性を秘めた物です。 まずは、日本から広めて行こうと思います。なので、これからリアルさんを使っての生活を全面的にバックアップします!! 皆さん、リアルさんはもうご存知でしょうが、知らない人もいるかもしれませんので説明しておきます」 「そ、総理!正式名称はRSです!」 「おほん。リアルさんは遡ること35年前。 その頃に開発されたVRTの進化系です。 VRTとは何か?それはその映像を観ることで、実際にそこにいるかのような感覚に陥る物でした。当時では革命的なアイデアで、各国から絶賛されました。 そして、長き時を得て開発されたのがR…リアルさんです! リアルさんとはそう、その名の通りなのです! 昔はメガネタイプの物を装着しておりましたが、今はコンタクトタイプのうすーーい素材で出来ております。 一回付けると裸眼のような感覚で、目が悪い人はその上にコンタクトを付けることも可能です。 毎日取り外して洗わないといけないという面倒なこともありません。そして機能性! りあるさんを付けて前を歩くことを考えると、りあるさんが歩きます。 その前に歩き出したりあるさんは自分自身なのです! そのりあるさんの自分をRGと言います。もうおわかりですよね? ふふふ…そう、リアル自分ですよ」 おいおい、なんてネーミングセンスだ? RSといいRGといい絶対、総理が名前付けただろ? 「RGは歩いてますが、自分は歩いてませんね? そう、それがRSの凄い所です! いわば、外出しなくても外出が、出来ると言うことです! そして何より素敵なのが、身体の不自由な方でも外出可能です。 それにRGは側から見たら人間そのもの。 なので、外でRGと実物の人が出会ったとしても違和感がまったくないでしょう! これからの生活はRGに任せましょう!! そしてこのRSならぬリアルさんを、日本全国民に配分致します。そして、来年の春から、学校や会社での使用を許可致します!」 すごい時代が来たなーなんて思っていたら、玄関のチャイムがピンポーンと、鳴った。
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