第2章 リアルさん

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第2章 リアルさん

って言うのが、中学3年の12月の時の話し。 そして中学校を卒業して、俺は高校生になった。 入学式当日。 みんなは当時から、プライベートなので結構使い始めていたが、俺は今日が初RSだ。 何を隠そう、俺ん家は貧乏だ。 壊してしまったり、失くしてしまうと、もう買ってあげれないと、親に強く念を押されていた。 なので、大事に保管をして高校生になったら付けると決めていたのだ。 洗面所の前で目にRSをはめようとした。 ぷるぷるぷる。 て、手が震える。 俺は目がいいので、コンタクトレンズををする事自体が初めてだ。 目に物を入れると言うのは怖いものだ。 勇気を出して入れてみる。 ……入った。 視界変わらず。 違和感なし。 すげーなリアルさん。 なんて感心してる場合じゃない。 説明書を読もう。 なになに? 前に歩いていくイメージを頭の中で想像しよう! 歩けたね? じゃあ君はもうRSマスターだ! いや、マスター早くね? まぁいいか。 前に歩くイメージ…前に歩く…んっ? 俺が実際に前に進んでしまう…。 違う違う。 実際に歩くんじゃなくて頭の中でイメージするんだ。 …進まねー! なんじゃこりゃ? 潰れてんじゃねーか? それとも俺が下手なのか? それから何度しても進まない。 はぁ…向き不向きとかあるのか? そんな時、ふと時計が目に入って来た。 やべ! 入学早々、遅刻する! 俺は急いで家を出た。
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