第2章 リアルさん

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休み時間になり誰かと喋ろうと思った。 遠野を見ると一人で本を読みふけっている。 まさに喋り掛けるなオーラが全開だ。 俺はあえて空気を読まないことにした。 「遠野って下の名前なんて言うの?」 …返事がない。 聞こえてないのか? 「なぁーなぁー遠野さーん?」 ……返事がない。 ただのしかばねじゃないよね? 読んでる本がふと目に入る。 タイトルは第六感の謎。 なんか難しい本読んでるな…。 「第六感なんてさーそんなのあるのかなー?」 びくっ。 遠野の身体が少し揺れた。 初めての反応だ。 そして険しい顔をして俺の方を見てきた。 険しい顔と言うか…睨まれてる? 俺なんか悪い事言ったか? 「あなたの第六感は何? まぁそんな簡単に教えてくれないでしょうけど。人は誰しも秘密があるから」 ??? 何を言ってるんだ、この人は? 「な、何を言ってるかわかんないんだけど?」 ……返事がない。 そして本の世界に帰っていった。 こいつはしかばねだ。 うん、間違いない。 チャイムが鳴った。 1時間だけ授業みたいなのって何するんだ? そんなことを考えていると、先生が教室に入ってきた。
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