第2章 リアルさん

7/11
前へ
/16ページ
次へ
さぁ、勉強するか…。 RSの教科書の、92ページ目を開いた。 うっ…読むのしんどいぐらいの文字の量だ。 「基本動作はもう皆知ってると思うから、ここから応用編だ。 よく読んで、理解して欲しい。 尚、テスト期間中だけはRGではなく、普通に登校して下さい」 そうか…RGなら、本当の自分は家にいる。 なら、テストも教科書とか読んで、調べられるもんな。 カンニングし放題ってわけだ。 じゃあ生身…NMか。 いや、NMはやっぱダサい。 ナミにしよう。 なんかしっくりくる。 じゃあ普段からナミでいいのでは…って疑問に思ったのは俺ぐらいなのだろうか…。 そう思いながら、遠野のほうを見たら、遠野は教科書を必死に読んでいた。 勉強熱心な子だな…んっ? 教科書を開いてる? 「えっ? 遠野さんってナミなの?」 「…ナミって何?」 「あっ! あぁ…生身ってことだよ。 生身のナミね」 「…」 質問しといて無視かよ! 「なんでリアルさんでこないの?」 「RGは必要ない。必要なら使う。ただそれだけ」 …なんか遠野の反応が高校生らしくない。 てか、女の子らしくない! 「そ、そっか。俺も多分、あんま使わない気がするんだよねーリアルさん」 「使わないと言うか、使えないだけの間違いじゃない?」 くぅぅ…ムカつく! なんだ、こいつは!? 「そうだよ、わかんねーよ! 悪いかよ!?」 逆ギレしてやったぜ。 「…なら、教えてあげてもいい」 「えっ…えっ? いいの??」 「それぐらいなら。じゃあ放課後ね」 マジかー! 思って見ない展開に、俺は少しウキウキした。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加